フランス大統領選挙 2017日程 候補者一覧など

イギリスEU離脱があぶり出されたヨーロッパでは、今年選挙ラッシュとなっています。選挙結果によってはEUの存続も危うい状況。

まず、3月にはオランダ選挙が終了しました。EU離脱を訴える自由党(極右政党)が第一党になれなかったことでEU離脱国がドミノ的に増えていく事態は避けられました。

しかしながら、すぐに4月23日にはフランス大統領選挙が始まります。この選挙の結果もまた今後のEU、そして世界にと大きな影響を与えることでしょう。

今回はそのフランスの大統領選挙にスポットを当てます。選挙の日程、候補者などまとめていきます。

 


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フランス大統領選挙システム

まずはフランスの大統領選挙のシステムについて簡単にまとめます。

第1回投票で当選となるには有効投票総数の50%プラス1票以上を得る必要があります。すなわち過半数の獲得が必要。そこで該当者がいない場合には上位2名の候補者による第2回目の決選投票が行われます。

・選挙権:18歳以上(フランス国民)

・大統領任期:5年(再選1回のみ)

・制度:決選投票

 

フランス大統領選挙2017の日程(スケジュール)

フランス大統領選挙の日程(スケジュール)は以下の通りです。最速で2017年4月23日にフランス大統領が決定することになります。

2017年3月21日
候補者名簿正式発表

2017年4月10日
公式選挙運動開始日

2017年4月21日
公式選挙運動終了日

2017年4月22日
第1回投票(グアドループ、マルティニーク、ギアナ、サン=ピエール=エ=ミクロン、サン=バルテルミ、サン=マルタン、フランス領ポリネシア地域)

2017年4月23日
第1回投票(フランス本土)

2017年5月6日
決選投票(グアドループ、マルティニーク、ギアナ、サン=ピエール=エ=ミクロン、サン=バルテルミ、サン=マルタン、フランス領ポリネシア地域)

2017年5月7日
決選投票(フランス本土)

 

フランス大統領選挙2017の重要ポイント(選挙が2回?)

フランス大統領選挙において1965年から実施されているこの制度では第1回投票で大統領が決まったことがありません。今まで全て決選投票によって選ばれています。

今回の選挙も主要5候補で支持が分かれており1回目の投票で大統領が決まる可能性はほぼ無いと言っていいでしょう。

また、第1回投票で3位以下に投票した有権者が次に誰に投票するのかが大きな分かれ目となります。そのため、第1回投票では2位だった候補者が決選投票で当選することも稀ではありません。

 

フランス大統領選挙2017の顔ぶれ

名乗りを上げている11候補者の中から、接戦になると予想されている5候補者を紹介します。

 

フランソワ・フィヨン氏(共和党)

フランソワ・フィヨン氏は中部ルマン出身、63歳です。大学卒業とともにすぐに政界入りを果たし27歳で下院議員に当選。

労働相、国民教育相など閣僚経験を経た後、サルコジ前大統領の下、首相を務めました(2007年から5年間)。

誠実な人柄とクリーンなイメージが働き、予備選挙ではサルコジ前大統領などを退け66%の票を獲得し勝利。しかし、議員時代のスキャンダルが発覚したことで、大統領に最も近いとされながらも支持率は低迷しています。

公約としては、積極的に企業を支援することで雇用を拡大。治安対策強化でテロを防ぐ。経済政策に於いては、公的部門より約50万人削減することで公共支出を大幅に削減。景気回復させた5年後に、失業率を7%まで下げるとしています。

また首相当時、ロシアの元首相であったプーチン大統領と個人的に良好な関係を構築していたこともあり、ロシアを「偉大なるパートナー」として返り咲かせるべきだと言い立てています。そのため、フィヨン氏が大統領になるとしたら、ロシアと対立していたフランスの外交面が大きく変わるとされています。

EUについては残留の考えと言えるでしょう。

 

エマニュエル・マクロン氏(アン・マルシェ「前進」)

エマニュエル・マクロン氏はフランス北部出身、39歳です。フランス国立行政学院卒業後、政府機関より投資銀行に転身。

経済相を2年間務め(社会党/オランド政権)、「マクロン法」と呼ばれる法律を可決させ(2015年)、長距離バス路線の自由化など大掛かりな規制緩和を行いました。政権の支持率が下がる中、中立な政治を目指すとし「前進」と呼ばれる政治運動をスタートさせ、大統領選挙に立候補しました。

公約としては、「閉塞感をなくし、弱者を守る社会を目指す」をモットーに、国や地方公務員を12万人削減し、法人税を減税。EUはヨーロッパ連合の既存の枠組みを堅持することだと述べ、EUの方針に沿うとしています。

 

ジャンリュック・メランション氏(左派党/急進左派)

ジャンリュック・メランション氏はモロッコ北部タンジェ町出身、65歳です。一家でフランス移住。教職を経た後、上院議員となります。

職業教育相を務め(2000年から2年間。ジョスパン内閣)、前回の大統領選挙に出馬(2012年)し、400万票近く得票した実績を持ちます。公約としては、ヨーロッパ連合とアメリカなどとの自由貿易協定に反対。またEUとの関係を見直す交渉をし、独自の金融対策に切り替えようなど強調。EU離脱の考えも持っています。

 

マリーヌ・ルペン氏(国民戦線/党首)

マリーヌ・ルペン氏ヌイイシュルーヌ出身、48歳です。40年にわたり党首を務めた国民戦線創立者のジャンマリー・ルペン氏の3女。2011年に父親の跡を継いで党首就任。前回2012年の大統領選挙に立候補し、第1回投票で17、9%の票を得るも決選投票に進めませんでした。

公約としては、自国民の利益優先と謳う憲法改正にと主張。国の主権を取り戻す交渉をEUと行い、EU離脱を問う国民投票を実施するとしています。テロが相次ぐため、警察官を1万5000人、兵士を5万人、大幅に増員し、刑務所の所有能力も4万人増やすとしています。また、不法入国者は国外退去。フランスの企業などを守るため、国内の規格を満たさない外国製品の輸入禁止。企業が外国人を雇用した際、税金を課すなどとしています。

 

ブノワ・アモン氏(社会党)

ブノワ・アモン氏はフランス西部ブルターニュ出身で49歳です。

パリ近郊イブリーヌ県選出(下院議員)。19歳で入党し、代表(青年組織)や報道官など従事。今回の大統領選挙に向け、2017年1月の予備選挙で劣勢だとされながらも貧困対策など若者たちにアピールすることで多くの支持者を集め、統一候補となりました。

公約としては、学生や低賃金労働者に対し所得補償を行うとし、自国の雇用を守る為、公共事業50%は中小企業に割り当てるなどとしています。

支持は伸び悩んでおり厳しい状況。

 

フランス大統領選挙2017、注目の3候補者

つわものどもが顔を揃える第1回投票目前の今、3候補者に注目が集まっています。

その3候補者について、ここでより深く掘り下げていきます。

 

ルペン氏とマクロン氏

まずは以前から頭角を現しているルペン氏とその射程に入りジリジリと追い詰めるマクロン氏について。この2候補者らは4月17日大集会を開き議論を述べたことで、両者相反する立場を明確にさせました。

ルペン氏は「フランスの自由を」と述べ、マクロン氏は「EUが労働者を守る」と述べています。前者がEU離脱を問う必要性を訴え、後者はEU加盟存続を願う。完全に反対の立場です。

一時期両者とも25%を超える支持率を集めていましたが、その勢いもトーンダウンしつつあります。

 

メランション氏の追い上げ

その一方でメランション氏が、共産主義支持の追い風に乗っています(4/6調査では16%)。

メランション氏が、今何故急成長を遂げているのか。

それは不満を持つ労働者階級からの底上げ支持と、初のテレビ討論会の影響が大きいとされています。テレビという公の場でルペン氏に「国民の恐怖を煽る、既存組織に属する汚職政治家だ」と毒づいたことで、よく代弁してくれたと多くのフランス人に受け入れられました。

You Tube動画を有権者に語るツールとするメランション氏は、言動通り「既存」秩序を嫌い、EU懐疑派とも囁かれています。

一体誰がフランス大統領の座を得るのか。そして、今後のEUはどのように変貌を遂げるのか。EUの未来もフランス大統領選挙に委ねられています。

 

フランス大統領選挙2017とEUについて

今回の選挙で大きな注目はやはり大統領候補者のEUに対する考え方でしょう。1957年欧州経済共同体(EEC)設立当初からフランスは、リーダー的存在としてEUを牽引してきました。EUにはフランスの長い歴史が刻み込まれているわけです。

よってフランスがEUに対して否定的な立場を取ることはEUの屋台骨を失うようなもの。イギリスが国民投票でEU離脱を決定、大きな騒ぎになりましたがそれ以上の影響があります。

 

立場の弱い移民

EUの恩恵を受け既に生活している合法移民者のこともフランス国民の意思を尊重しつつ、しっかりと汲み取る必要があるでしょう。

フランスへ移住して18年だという男性(アフリカマリから)を例にとって考えてみます。彼の滞在許可証期限は1年。滞在許可証の更新手続きをするパリ中心部の警察署では、常に長蛇の列が続きます。更新手続きには何ヶ月間も要し、パリには手続きのために滞在するみたいだと彼は顔を曇らせます。

またその一方で、移民キャンプで移民が放火したといった残念なニュースが飛び交います。このように、合法に滞在権利を得た移民者のイメージに泥を塗る移民者もいるのも事実。

さまざまな憶測はありますが、まずは彼らの日常生活の後ろに積み重ねてきた忍耐と努力の日々があることも考慮されるべきという考えがあります。

 

フランス国民の不満

一方でフランス国民のEUに対する不満が高まっているのも事実です。移民、難民を排斥する動きは日に日に強まっています。

失業率が高止まりしていることで移民に職を奪われていると考える国民が増えています。更に昨年パリで、今年はニースで移民によるテロが発生していることもあって移民に対する目が厳しくなっています。

 

フランス国民はEU離脱に反対、ただし、、、

3月10日に行われた世論調査によると、フランス人の約72%がユーロ圏離脱に反対しているとの結果が出ています。ユーロ圏離脱を唱えている候補者にとっては厳しい数字。

ただしEUにいることが「利益よりも不利益の方が多い」と答えた人は37%と「利益の方が多い」と答えた人31%よりも多く、やはり現行のEU存続には不満を持つ人が多いのも事実。

この辺りの国民の意識を汲み取った形の主張ができるのか?各候補者の動きに注目です。

 

イギリスで総選挙

大統領選挙の結果次第でEUの将来が決まると言っても過言ではないフランス。

その最中、突然イギリスがEU離脱を再度問おうと2017年6月8日に総選挙を行うと発表しています。フランス大統領選挙とほぼ重なる時期の発言だけに、イギリスがフランス大統領選挙の状況を見据えて動いているとも思えます。

 

フランス大統領選挙2017の結果はどうなる?(現状予想)

現時点ではフランソワ・フィヨン氏、エマニュエル・マクロン氏、ジャンリュック・メランション氏、マリーヌ・ルペン氏の4氏の争いになると考えられています。

第1回目の投票では決まらずこの4候補者の中から2人が第2回に進むと思われます。

そして、EU離脱に対する世論調査の反応から考えると実質的にはフランソワ・フィヨン氏、エマニュエル・マクロン氏の争いになると思われます。

第1回目の投票でルペン氏もしくはメランション氏が決選投票に進む可能性もありますがやはり最終的にはEU残留を望む声が大きくルペン氏有利は動かないと考えられます。

ただし、今後の世界情勢などでその辺りも変わる可能性もあります。今後の動きからは目が離せません。

 

フランス大統領選挙2017の株価や為替への影響

また、フランス大統領選挙が予想外の結果になった倍は株価や為替への影響もあると思われます。EU残留を考慮している候補者が優勢と見られる今回の選挙でEU離脱を考える候補者が有利になると経済への影響が懸念されるところでしょう。

株価は下落し、ユーロは売られ、円高傾向になる可能性があります。

逆の場合は安心感が広がって株価は上昇しユーロが買われ、円安傾向になる可能性があります。

フランス大統領選挙 2017の結果と為替への影響について

どちらにしろフランス大統領選挙のニュースが株や為替に大きな影響を与える可能性があります。ここしばらくは株や為替は要注意の時期と言えるでしょう。

(あくまでも予想であり売買のアドバイスをするものではありません。この情報で株や為替の売買をして損失が出ても何ら責任は取れませんので予めご了承ください)

 

フランス大統領選挙2017候補者一覧などまとめ

今回はフランス大統領選挙2017の候補者一覧などをまとめました。今回のフランス大統領選挙2017は世界に大きな影響を与えると思われます。

EU離脱派がフランス大統領になればイギリスが国民投票でEU離脱を決めた時よりもはるかに大きなインパクトがあります。フランスはEUの中心的存在だからです。

現状はEU推進派がリードしているという状況と言われていますが今後の情勢に注目する必要があるでしょう。


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